そして、私たち二人と「ガン」との闘いが始まりました。
正直言って、ガンというものを私達二人はあまりにも知りませんでした。
それは、テレビやドラマの中だけのもののように思っていました。
私たちにできることは、主治医の先生を信じること。
きっと直るものと思っていました。
「ガン」は発見された時点ですでに肝臓に転移しており、残された治療法はただひとつ。
『抗がん剤治療』だけでした。
抗がん剤投与にはスケジュールがあり、１週間から１０日を１クールといいます。
１クールが終わると、投薬をやめる期間を取るのです。
主人は抗がん剤を４クール（４回）すべて打ちました。
抗がん剤をうち終わると、副作用で体中が痛むらしく、とても苦しんでいました。
投薬がすすむにつれ、だんだん髪の毛が抜けていきました。
４クール全てうち終わると、手の施しようがなく、病院にいても仕方ありません。
それ以上何も出来ずに、９月に退院しました。
退院した時は、肺、肝臓ともに腫瘍は小さくなっていましたが、
完全に消えてはいませんでした。
長男７ヶ月でした。
