住まいの耐震・現地調査

サーバの都合で画像が表示されない場合がありますアラキ建設で現場を総括している篠原です。
今回は、お家の耐震診断は具体的にどういった調査を行うのか、についてです。
まずは外観から。屋根材が軽い種類か重い種類か、外壁や基礎の大きな亀裂、地盤の下がりなどを確認します。亀裂がある場合、幅や走っている向きで、建物に生じている変形の大きさや方向と、危険度が判断できます。ただ何度もリフォームされているお家では、外観だけでは判断できない場合もあります。


サーバの都合で画像が表示されない場合があります家全体を支える地盤も重要な要素ですが、今回は基礎(※1)がしっかりしているかで判断します。ちょっと見ただけでは鉄筋(※2)が入っているかどうかは分からないので、金属探知機をあてて内部の鉄筋の配置を探ります。

サーバの都合で画像が表示されない場合があります家を支えるコンクリート自体の強さも重要です。崩壊の危険がないか点検します(写真は、押しつけて硬さを測る器具です)。

サーバの都合で画像が表示されない場合があります屋内へ入っていきます。幸い図面が保存されていたのですが、実際には後のリフォームで変わったりもしているので、現状が優先です。

サーバの都合で画像が表示されない場合があります天井裏を点検する事で、耐力壁(※3)の配置を調べます。和室の押し入れ天井に点検口があったので、どこも壊したり穴を開けたりしないで確認できました(写真では、上半身を天井裏につっこんでいる状態です)。

サーバの都合で画像が表示されない場合がありますドア枠の水平・垂直を水平器で確認していきます。 2〜3ミリ程度の狂いであれば、どこのお家でも見られる範囲ですし、神経質になられる事はないと思いますが、あまりに傾きがひどいと、柱や梁の傾きが考えられます。

サーバの都合で画像が表示されない場合があります畳をめくって床板をはがし、床下へも潜ります(台所などに床下収納庫があれば、そこから潜るのが多いです)潜って写した床下の様子です。基礎の配置や柱との結合状態、シロアリ被害や湿気で腐っている部分がないか(あると地震に対して弱点になります)を調べます。書けばひと言ですが、床下は構造材が複雑に入り組んでいるので、床下を這いずって移動しながら、見落とさないように点検するのは難儀なんですよ。

サーバの都合で画像が表示されない場合があります床下の湿度を測っているところです。床下の湿度が高すぎると木が腐りやすくなりますし、シロアリも来やすくなります。床下の木の含水率も確認していきます。

現地におじゃましての調査はこの辺りまでになります。回収した数値や項目はパソコンでの分析にかけます。という所で、今回はこの辺で。


※1 木造住宅の場合、柱・土台などの骨組み部分と地面の間にはさまれた部分。現在はコンクリートですが、以前はセメントブロックやレンガを積んだ基礎が多かったですし、さかのぼると石を敷いた基礎もありました。
※2 鉄筋コンクリート(略してRC)などと言いますが、コンクリートは堅くて頑丈な材料ですが、引っぱる力、曲げる力にはとても弱いので、鉄筋を入れて補強したものをRCと呼びます。鉄筋補強がないコンクリートを無筋コンクリート(略して無筋)と呼びます。大規模な建物はRCですが、木造の個人住宅となると、昔は無筋の場合もあるので要確認。RCと無筋では家の頑丈さに雲泥の違いがあり、現在は小規模な木造住宅基礎でもRCを使っています。しかし鉄筋が入ってさえいればよいというものではなく、形や場所によって適切な入れ方が決められています。それを、鉄筋の数を減らして”経済的に設計”したのが、05年末から日本中を大騒ぎにした”マンション強度偽装事件”です(だいぶ単純化した表現ですが…)。
※3 壁には上の階や屋根の重みを支えている”耐力壁”と、間仕切っているだけの”間仕切壁”があります。地震に対して抵抗する力になるのは耐力壁なので、どの壁がそれで配置や面積が適切かを確認する必要があります。